軽貨物運送業の許可取得方法を専門の行政書士が5分で解説!

軽自動車を使って配達の仕事をする事を、一般的に軽貨物運送と呼びます。
この事業を行う場合には、どこかの許可が必要という話を聞いたことが無いでしょうか?

そう、黒ナンバーを使用した軽貨物運送を始めるためには、「貨物軽自動車運送事業経営届出書」という書類を役所へ提出する必要があります。

そしてよく誤解されるのですが、こちらの書類は「許可制」ではなく「届出制」です。

「許可制」とは、書類提出後に審査をし、問題なければ許可が下りるという制度です。
「届出制」とは、書類を提出し、記載内容に不備が無ければその場で受理され、その時点から許可と同じ効果が生まれるという制度です。

この記事では軽貨物運送を始めるために必要な届出について、専門の行政書士が解説します。

軽貨物運送を始めるために準備すること

まず初めに、軽貨物運送を始めるために最低限準備しなければならない事がいくつかあります。

それが、次の4つです。

  • 事務所
  • 休憩室
  • 駐車場
  • 自動車

事務所について

軽貨物運送を始めるための事務所を最低1か所確保する必要があります。
事務所についてはこれから借りても良いのですが、個人事業主であれば自宅の一室を事務所として登録することもできます。

ただし、法律によって事務所使用ができない場所を登録することはできないので、あらかじめ登録した場所が事務所使用できるかどうか役所に問い合わせておく必要があります。

休憩室について

こちらも事務所同様、最低1か所確保する必要があります。

とは言っても、こちらも自宅の一室を登録することもできますし、事務所をパーティション等で分けて、半分を休憩室にするといった事も可能です。

駐車場について

使用する自動車を駐車する駐車場についても、確保する必要があります。
自宅の敷地内に駐車スペースがあればそこで問題ありませんし、別で借りるのでも大丈夫です。

ただし、別で借りる場合は事務所から直線距離で2km以内の場所にする必要があります。

また、これも事務所と同じで地目が農地といった、法律で駐車場としての使用ができない場所を登録することはできませんので注意しましょう。

自動車について

これは当然と言えば当然ですが、配達に使用するための自動車が1台以上必要です。
軽トラのような貨物車はもちろん、昔はダメでしたが現在は乗用タイプの車両を登録することも出来るようになりました。

ただし、登録できるのはあくまで軽自動車であって、普通車を登録することはできません。
また、排気量125ccを超えるバイクを登録することもできます。

ちなみに余談ですが、排気量125cc以下のバイクで配送を行う場合については、特に届出は不要となります。

軽貨物運送を始める流れ

軽貨物運送を始めるための準備が分かったところで、実際に事業を始めるための流れを解説します。
主に次のような順番で手続きを進めていきます。

  1. 事務所や自動車などの設備準備
  2. 貨物軽自動車運送事業経営届出書の提出
  3. ナンバープレートの切り替え
  4. 自動車任意保険・貨物保険への加入
  5. 開業届の提出

事務所や自動車などの設備準備

こちらについては、先ほど解説した事務所・休憩室・駐車場・自動車の4つの設備に関する準備になります。

自宅とは別で事務所を借りる場合は不動産屋にいって契約をしたり、配送用の自動車を新たに購入する場合は車屋さんに行って契約をするといった準備をします。

なお、現状の施設をそのまま使用するという場合は、特段することはありませんので次のステップに進みます。

貨物軽自動車運送事業経営届出書の提出

こちらの届出書はどのような書類かというと、次の2枚となります。

こちらは愛知県内に事務所を設ける場合の記載例となっています。

こちらの書類を記載し、使用したい車両の車検証を付けて、事務所がある都道府県を管轄する運輸支局の輸送課に提出します。

提出し受理されると「事業用自動車等連絡書」という通称、連絡書と呼ばれる書類が発行されます。
こちらの連絡書は、今後ナンバープレートを変更する際に使用するので、なくさないように保管しておきます。

ナンバープレートの切り替え

つぎはいよいよ今ついている黄色のナンバープレートから黒色のナンバープレートに変更します。
手続きを行う場所は、管轄の軽自動車検査協会です。

事務所の位置を下記から照らし合わせて、管轄の検査協会に向かいましょう。

管轄事務所事務所の位置
愛知主管事務所名古屋市・津島市・知多市・常滑市・東海市・半田市・大府市・豊明市・日進市・愛西市・弥富市・あま市・長久手市・愛知郡・知多郡・海部郡
愛知主管事務所豊橋支所豊橋市・豊川市・蒲郡市・新城市・田原市・北設楽郡
愛知主管事務所三河支所岡崎市・額田郡幸田町・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・知立市・高浜市・みよし市・豊田市
愛知主管事務所小牧支所一宮市・瀬戸市・犬山市・江南市・小牧市・稲沢市・尾張旭市・岩倉市・清須市・北名古屋市・西春日井郡豊山町・丹羽郡・春日井市

その際に必要となる持ち物は主に下記の4点ですが、内容によって異なる場合もありますので、予め問い合わせておくのが良いでしょう。

  • 車検証原本
  • 事業用自動車等連絡書原本
  • ナンバープレート前後2枚
  • 登録手数料数千円

なお、軽自動車のナンバープレートはドライバーで取り外しが可能であるため、必ずしも車自体を検査協会に持ち込む必要はありません。

検査協会で書類を提出し、手続きが完了すると新しい車検証と黒色のナンバープレートがもらえます。
車検証は車に積んでおき、ナンバープレートを取り付けたら完了です。

自動車任意保険・貨物保険への加入

ナンバープレートの切り替えが完了したら、今度は保険の加入手続きを行います。
加入する保険は、自動車任意保険と貨物保険です。

保険の代理店に問い合わせて加入の手続きを進めましょう。
その際に、変更後の車検証の写しが必要となる場合がありますので、コピーを取っておくとスムーズです。

開業届の提出

保険の加入が完了したら、晴れて軽貨物運送の営業を開始することができます。
営業開始日が決まったら、管轄の税務署に開業届を提出します。

まとめ

いかがだったでしょうか、今回は軽貨物運送業の許可取得方法について解説しました。

もっと具体的に手続きについて相談したい」「軽貨物運送の手続きを丸投げしたい」「ナンバープレートの変更をお願いしたい」という方は、筆者が運営しているホームページ「愛知の運送業許可ステーション」からお気軽にご相談ください。

運送業専門の行政書士が誠心誠意対応いたします。