これでもう迷わない!運送会社を設立する流れを解説!

運送業をこれから始めたいと考えている方にとって、個人事業でなはく会社を設立したいと考える方が多いのではないでしょうか。
実際に運送業を始めとする物流業は、初年度からまとまった売上げが見込める場合が多く、個人事業よりも法人にしたほうが節税になるといわれています。

さらに会社という事で、個人よりも荷主から信用される場面も多く、ほとんどの方が法人にしている状況です。
そこで今回は、運送会社を立ち上げるにあたっての全体像を把握するために、おおまかな流れについて解説していきます。

早速ですが、運送会社を立ち上げる際の大まかな流れは下記の目次のとおりですので、一つ一つ見ていきましょう。

1.役員となる方を決める

それでは一番最初に運送会社の役員となる方を決めます。
といってもどなたか共同で会社を立ち上げる場合などを除き、最初の役員は代表取締役1人だけという場合も多いです。
または奥様を役員として専務取締役にされる方もいらっしゃいますね。
今後、役員にしたい方が現れた時には、その都度追加することができますので、設立時点で無理に複数人にする必要はないです。

ただし、一つ注意点があります。
今後、手続きが進んでいき、後半では運送業の許可を申請します。
その際に運送業の法令に関する「法令試験」という試験に合格する必要があります。
この法令試験は役員試験とも呼ばれ、申請する会社の役員が受験し合格しなければなりません。

なので、代表取締役1人しか役員がいない場合は、その代表者であるあたなが法令試験を受けるしかありません。
もしあなたが、試験に苦手意識を持っているなら、運送業の法令に強い方を今のうちに役員にしておくのも一つです。

2.会社の名前を決める

さあ、次は会社名を決めましょう!
といっても既にここまで読んでくださっているあなたは、もう心に決めた会社名があるかもしれませんね。
「〇〇運輸」「○○物流」「○○トランスポート」様々な運送会社を表す会社名がありますが、これだと思う会社名をつけましょう。
別にこれらの形にはまる必要も全くありません。

ただ、ここも一つ注意点があります。
現行の会社法上では、ほかの会社と会社名が被っても、その会社と「本店所在地」が全く同じでない限り、適法に設立できます。
ただし、不正な目的をもって同一または類似した会社名を使用した場合、不正競争防止法違反などで、訴えられる可能性があります。
このことから、同一の市町村内で同一の事業目的(今回であれば運送業)の同じ名前の会社がある場合、その名前は避けたほうが無難です。
なお、ここで決めた会社名は設立後に変更することが可能です。

3.本社の住所を決める

続いて会社の本社の住所を決めます。
ただ、これから運送会社を立ち上げる方にとっては、実質2択だと思っております。
運送業の営業所の住所」か「代表取締役の自宅住所」です。

どちらを選んでも良いのですが、「運送業の営業所の住所」の場合は少し注意が必要です。
というのも営業所というのは、経営状況によって移転する可能性がありますよね。
仮に事業が軌道に乗ってきたら、別の場所に拠点を移そうと思っているのであれば、自宅を本社にしておいたほうが、後々変更の手続きが少なくて済みます。

4.資本金の額を決める

次に会社の資本金を決めます。
資本金は銀行からの融資に影響したり、会社そのものの信用を表す数字として重要です。
しかし、1,000万円を超える資本金で設立した場合、初年度から消費税の課税対象となるため、多ければいいというわけではありません。

こちらも金額に正解はないので、自由にきめていただいていいのですが、全国の株式会社の平均から考えて300万円~500万円くらいになると考えております。

そしてここも一つ注意点があるのですが、会社を設立して第一種貨物利用運送事業を行う場合、資本金は300万円以上にしたほうが良いです。
なぜならこの利用運送の登録には資産要件があり、直近年度の純資産の額が300万円以上でないと登録ができないからです。

なお一般貨物自動車運送業、いわゆる緑ナンバーを使ったトラック事業を行う場合、資本金に関する要件はないので、300万円以下であっても大丈夫です。

5.定款の作成・認証をする

ここまで会社の基本的な事項を決めたら、それらを定款という一つの書類にまとめ、さらに公証役場にて認証してもらいます。
この認証という工程で、作成した定款が法的な効力を持つこととなり、次のステップである法務局への申請につながっていきます。

この定款という会社の規則や情報などを記載した書類は、とても重要であるため、行政書士などの専門家に依頼したほうが良いです。
さらにこの定款は課税文書であるため、通常4万円の印紙を貼る必要があります。

しかし、専門家に作成を依頼し、電子で定款を作成してもらうことにより、この4万円の印紙が不要となります。
これだけとっても、定款の作成については専門家に依頼するほうが良いといえるでしょう。

6.法務局に会社設立の登記を申請する

定款の認証が完了したら、その他の必要書類をそろえて、法務局に会社設立の登記を申請します。
ここでこの法務局への申請の際に必要な書類一覧を下記に載せておきます。

  • 設立登記申請書
  • 登録免許税納付用台紙
  • 認証済みの定款謄本
  • 発起人の決定書
  • 設立時取締役の就任承諾書
  • 設立時代表取締役の就任承諾書
  • 設立時取締役の印鑑証明書原本
  • 資本金の払込みがあったことを証する書面
  • 印鑑(改印)届出書

正直これだけの書類を一から用意するのは大変ですので、ここもまとめて専門家に依頼するほうが良いといえます。
設立は申請から約2週間~3週間程度で完了し、晴れて会社の履歴事項全部証明書という、いわゆる会社謄本が発行できるようになります。

7.運送業の許可申請をする

会社の設立が完了したら今度は、管轄の運輸局に運送業の許可申請を行います。
この運送業の許可申請に関しては、先ほど記載した会社設立の申請よりも難易度が高いです。
入念な準備と複数の契約を済ませ、それを分厚い申請書にまとめ、それを申請します。

不備があったり、書類がそろっていないと許可がでないどころか申請の受付すらしてもらえないこともあります。
なので、ここは確実に運送業の許認可を専門に扱っている行政書士事務所に依頼するのが良いです。

8.運送会社立ち上げ完了!

申請した書類に問題がなく、許可が下りたら晴れて運送会社立ち上げ完了です!
ちなみに申請から許可までは4~5ヶ月間の審査期間があります。

まとめ

今回は、運送会社を立ち上げるためのおおまかな流れについて解説してみました。
会社の基本事項を決定するとともに、定款認証や登記申請、許可申請といった普段触れることとの少ない手続きが必要であるという事が分かっていただけたかと思います。

こういった手続きについては、その分野に精通した専門家に依頼するのが良いです。
運送会社の立ち上げについて、検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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