運送業許可の譲渡譲受の流れや、メリット・デメリットを解説!

運送業の許可を取得する方法として、新規で許可を取る以外に譲渡譲受の認可申請という方法があるのをご存じでしょうか。

どのような方法かというと、他の運送会社が持っている許可そのものを、自分の会社に譲り渡すという方法です。

運送業の許可が欲しいと思っている方の中には、新しく許可を取るよりも、この譲渡譲受の申請を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんな譲渡譲受の認可申請について、徹底解説していきます!

全体の流れ

申請するにあたり全体の流れを解説していきます。
まずは、譲渡する側の会社と譲り受ける側の会社で、何をいくらで譲渡するのかを決めます。

事務所、車両、その他什器・備品など譲り渡すものと値段を決定し、譲渡譲受の契約書
譲り渡す品物リストを作成します。

また、譲渡譲受の契約書といっても難しく考える必要はなく、要は売買契約書に近い形になります。

そして、この譲渡譲受の契約を結ぶ以外は、新しく運送業の許可を取得する際と同様の手続きとなります。
営業所、車庫、車両5台などの許可に必要な条件を一つずつクリアしていき、申請の準備を進めます。

実際の手続きは新規許可とほとんど同じ

先ほどお伝えした通り、実は譲渡譲受の認可申請というのは、譲渡譲受の契約書かわす以外、運送業の許可を新規で取得するのとあまり変わりません。

法令試験もありますし、事業に必要な資金を残高証明書を提出して証明する点も同じです。

ただ、譲り受けるものに事務所や車庫がある場合、それらを探す手間は省くことができます。
運送業の事務所や車庫は、登録できる場所とできない場所があるので、探すのに苦労する場合が多いので、そこは大きなメリットです。

譲渡譲受のメリット

新規で許可を取得するのとあまり変わらないとはお伝えしましたが、譲渡譲受の認可申請にはいくつかメリットもあります。

メリット1 審査の期間が短く済む

譲渡譲受の認可申請は、新規で許可を取得するよりも、審査期間が短くなります。
具体的には、新規の許可が4~5か月、譲渡譲受が1~3か月となっています。

しかし、実際に1か月で認可になる場合は少数で、3か月かかると思っておいた方が良いです。
いずれにしても、新規許可よりも2か月程度短く済むので、大きなメリットではありますね。

メリット2 登録免許税が不要となる

新規で許可を取得する際は、登録免許税として国に12万円収める必要がありました。
しかし、譲渡譲受は車庫を増やすとき等と同じ認可申請なので、登録免許税の納付は不要です。

メリット3 事務所・車庫を探す手間が省ける

これは、譲渡譲受の契約で、事務所や車庫を譲り受ける契約とした場合に限られます。
先ほども記載した通り、運送業の事務所や車庫(特に車庫)を探すのは、タイミングによっては時間がかかる場合があります。

しかし、相手方からこれらを譲り受ける契約となっていれば、その施設をそのまま使用できるため、時間の面で大幅な削減となります。

メリット4 経営ノウハウを引き継げる場合がある

これも全ての方に当てはまる訳ではありませんが、仮に事務所や点呼機器、運行システム機器や帳票類一式を譲り受けた場合は、一から事業を立ち上げるよりも、かなり労力を削減できます。

もちろんこれは譲り受けるシステム等が優秀で、譲り受ける方にマッチしていればの話にはなりますが、このようなメリットもあります。

譲渡譲受のデメリット

さて、譲渡譲受の申請にはメリットもあれば、デメリットもあります。
それぞれ確認していきましょいう。

デメリット1 契約が難航する場合がある

人によりますが、譲渡譲受の契約で金額や内容が折り合わず、契約まで長引く場合があります。
よくあるのが、譲渡する側の社長さんが会社に思い入れがあり、安い金額では譲りたくないという話になる場合です。

またモノであれば相場がありますが、許可そのものをいくらととらえるかというのは人それぞれなので、その部分の金額についても、両者の間で考え方が違う場合などもあります。

デメリット2 内容・報酬が複雑になる可能性がある

たとえば、「車両100台譲り受けます」という事になれば、リース会社の手続きや名義変更の手続き等、かえって手間がかかるという場合があります。

また、通常新規で許可を取得する際は5台で申請する方が多いので、行政書士などに支払う報酬も5台分で計算されていますが、車両の台数が多くなるとその分申請書作成に時間がかかるため、報酬が高額になる可能性もあります。

デメリット3 行政処分による累積点数も引き継ぐ 

仮に譲渡する側の会社で過去に行政処分を受けている場合、譲り受けた側でもその累積点数を引き継ぐことになります。
そのため、事前に譲渡する会社についての情報は、よく確認しておく必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は運送業の譲渡譲受の認可申請について、解説いたしました。

運送業の許可に関して、新規取得のほうがよいのか、譲渡譲受のほうが良いのかというのは、正解はありません。
ただひとつ重要なことは、メリット・デメリットだけで決めるのではなく、それぞれのおかれている状況を総合的に判断して決めることが大切です。

運送業の許可を取りたいが、新規が良いか譲渡譲受が良いか分からない」という方は、お気軽に相談ください。

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