受かるコツを伝授!運送業許可の法令試験について解説!

運送業を取得される方で、特に不安に思われる部分が「法令試験」です。

「受からなくて許可が取れなかったらどうしよう・・・」「昔から試験は苦手で・・・」「勉強なんて何年もしていないから・・・」など心配の声がたくさんあります。

大丈夫!あなただけではありません、皆さん全員同じ気持ちです。
「法令試験なんて楽勝で受かると思います」なんておっしゃる方は見たことがありません。

そして今回の記事では、読み終わったら不安がきれいさっぱり消え去るように、法令試験について徹底解説していきます。

試験の時期

最初に試験の時期についてですが、法令試験があるのは運送業許可の「申請した後」です。
つまり申請するための書類を集めたり、契約を進めて、分厚い申請書一式を運輸局に提出した「」です。

さらに細かく言うと、試験日は申請した翌奇数月の中旬です。
具体例として1月中に申請したとしたら、次の奇数月なので3月の中旬頃です。
2月に申請しても3月の中旬頃、3月申請なら5月の中旬頃になります。

なのであまり早い段階で心配する必要はありません

誰が受験するか

会社の常勤である役員1人です。
役員が代表取締役1人の場合は、自動的にその方が受験となります。

また、常勤とは何かというと一般的には休日以外は毎日出社し、定時まで業務を行う方とされていますが、明確な定義があるわけではありません。
運輸局としては、会社が常勤と定めた方であれば常勤扱いとなり、特にその裏付けも必要ありません。

注意点としては、会社に役員が複数人いても、受験できるのは1人であるという事です。
なお、個人事業主で申請する場合は、その個人が受験することとなります。

出題範囲・出題傾向

下記の全13種類の法令から、〇×問題、選択・穴埋め問題が出題されます。
そしてその法令が全て載っている、厚さ2㎝くらいの条文集が配られます

  1. 貨物自動車運送事業法
  2. 貨物自動車運送事業法施行規則
  3. 貨物自動車運送事業輸送安全規則
  4. 貨物自動車運送事業報告規則
  5. 自動車事故報告規則
  6. 道路運送法
  7. 道路運送車両法
  8. 道路交通法
  9. 労働基準法
  10. 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
  11. 労働安全衛生法
  12. 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
  13. 下請代金支払遅延等防止法

問題は全部で30問
前半の15~20問が〇×問題
残りが選択・穴埋め問題という傾向です。

とりあえず、自力で何か文字や文章を書いたりすることがありません。
〇×を選ぶか、記号を選らぶといった選択タイプの問題なので、解答欄はすべて埋まります。

実際の解き方

まずは実際に出題された問題をご覧ください。

Ⅰ.次の問題1の文章で正しいものに○を、誤っているものに×を( )内に記入しなさい。

問題1(一般貨物自動車運送事業の許可
一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の認可を受けなけ
ればならない。(貨物自動車運送事業法

中部運輸局 貨物自動車運送事業法令試験より引用

前半に出題される〇×問題です。
問題分の末尾のカッコ内に貨物自動車運送事業法と記載されていますね。
そしたら配られた条文集の中から「貨物自動車運送事業法」が載っているページ探します。

探したら次に、問題1の横のカッコ内に記載されている一般貨物自動車運送事業の許可というタイトルの条文を探します。
下記の通り、出てくるはずです。

(一般貨物自動車運送事業の許可)
第三条 一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

貨物自動車運送事業法 第3条より引用

この条文と、先ほどの問題分があっていれば〇、間違っていたら×と回答して問1は終了です。
この繰り返しです!時間をかければ絶対に正解できます。

ひっかけパターン1 「文言の違い」

ちなみに問1の正解は×です、どこが間違っている分わかりますか?
問題分は「認可」、条文は「許可」となっています、いわゆるひっかけ問題ですね。
というか法令試験は、基本的にこのようなひっかけ問題のオンパレードです。

なので、事前にどのようなひっかけ問題があるのかという傾向を理解し、その対策をするだけで合格率は格段にアップします。
そしてよくあるパターン1が先ほどの「文言の違い」によるひっかけです。

ひっかけパターン2 「数字の違い」

そしてよくあるパターン2つ目が次のような問題です。

問題15(選任届)
大型自動車使用者等は、整備管理者を選任(変更)したときは、その日から30日
以内に、地方運輸局長にその旨を届け出なければならない。(道路運送車両法)

中部運輸局 貨物自動車運送事業法令試験より引用

この問題のように具体的な数字が出てきた瞬間に、赤信号です。
それでは条文を引いてみましょう。

(選任届)
第五十二条 大型自動車使用者等は、整備管理者を選任したときは、その日から十五日以内に、地方運輸局長にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも同様である。

道路運送車両法 第52条より引用

この問題の答えは×で、30日以内ではなく正しくは「15日以内」です。
このような「数字の間違い」がパターン2です。

ひっかけパターン3 「内容の違い」

それでは次が最後のパターンです。
問題分をご覧ください。

問題14(事業計画)
一般貨物自動車運送事業者は、国土交通省令で定める軽微な事項に関する
事業計画の変更をしようとするときは、あらかじめその旨を、国土交通大臣
に届け出なければならない。(貨物自動車運送事業法)

中部運輸局 貨物自動車運送事業法令試験より引用

こちらはいかがでしょうか?一見〇のようにみえます。
そう、法令試験の〇×問題は、間違いである箇所に気づかなければ、全部〇に見えてきます。
条文を引いてみましょう。

(事業計画)
第九条
3 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に関する国土交通省令で定める事業計画の変更をするときは、あらかじめその旨を、国土交通省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なくその旨を、国土交通大臣に届け出なければならない。

貨物自動車運送事業法 第9条より引用

という事で、軽微な事項に関する事業計画の変更は「あらかじめ」ではなく「遅滞なく」なので×でした。
これが3つ目の「そもそも内容が違う」パターンです。

まとめ

これまで見てきたように、法令試験の問題分のパターンはいくつかに分けることができます。
そして、問題分を見たときに、これはどのパターンであるかというのは、過去問題を繰り返すことでだんだん見えてきます。

そこで可能であれば、パターン1や2のような文言や数字の違いに関しては、条文を引かずに答えらえれるのがベストです。

なぜなら法令試験は時間との勝負だからです。
試験時間は50分、全部で30問なので、1問にかけられる時間は1分半といったところです。
全部の問題を一つ一つ条文を引いていては、時間が足りなくなってしまいます。

いかにパターン3のような一見〇に見えそうな問題を、条文と照らし合わせて×を付けることができるかが合否を分けます。
大丈夫です、ちゃんと対策すれば受からない試験ではありません。

繰り返し過去問題を解いて、どのパターンか見抜く癖をつけて、簡単な間違いであれば反射的に×を付けれるようにしておく。
これが合格への最短ルートです。

愛知の運送業許可ステーションでは、運送業の許可申請だけでなく、法令試験のサポートについてもご相談に乗ることが可能です。
運送業を取りたいけど、法令試験が心配」という方はお気軽にお問い合わせください。

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